資金決済法について

資金決済法とは(前払式支払手段・資金移動業について)

資金決済に関する法律(資金決済法)は、情報通信技術の発達や利用者ニーズの多様化等の資金決済システムをめぐる環境の変化に対応して、前払式支払手段、資金移動業及び認定資金決済事業者協会等を内容として、2010年4月1日に施行されました。
  ※このほか法制定時には資金清算業、2017年の改正法では仮想通貨交換業(暗号資産)が規定されています。

【2010年施行の資金決済法の概要】  

前払式支払手段では、前払式証票の規制等に関する法律の適用対象となっていた紙型、磁気型、IC型の前払式支払手段に加え、サーバ型の前払式支払手段を法の適用対象としたほか、前払式支払手段について所要の制度整備が行われました。これに伴い、前払式証票の規制等に関する法律は廃止されました。

資金移動業では、銀行等の免許を受けずとも、資金決済法による登録をした者は、資金移動業者として為替取引(1件あたり100万円以下)を行うことができることとなりました。履行保証金の供託のほか、いわゆる金融ADRへの対応が必要となりました。


2020年6月には、キャッシュレス時代に対応した利便性が高く安心・安全な決済サービスに対するニーズに対応し、金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るため、資金決済法の改正が行われ、2021年5月に施行されました。

【2021年5月施行の改正資金決済法の概要】  

前払式支払手段では、利用者の保護等に関する措置として、利用者資金の保全に関する事項や無権限取引により生じた損失の補償等に関する情報提供義務(資金移動業においても同様の義務を規定)などが規定されました。

資金移動業では、以下の3つの種別が設けられ、それぞれの種別に対しリスクに応じた規制が規定されました。
「第一種資金移動業」 100万円を超える高額送金が取扱い可能であり、厳格な滞留規制等が課され、業務実施計画を定めて金融庁長官の認可を受けなければならないとされました。
「第二種資金移動業」 従来の規制(1件当たり100万円以下の送金)の前提として今後も事業を行う者であり、利用者資金の残高が送金上限額を超える場合には為替取引の関連性が求められないものは保有しないための措置を講じることとされました。
「第三種資金移動業」 1件当たりの送金額及び利用者一人当たりの受入額が5万円以下の為替取引を取扱う事業者であり、利用者資金を供託などに代えて自己の財産と分別した預貯金等による管理を行うことができるとされました。

資金決済法および関連法令等

・資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)
・資金決済に関する法律施行令(平成二十二年政令第十九号)
・前払式支払手段に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第三号)
・資金移動業者に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第四号)
・資金移動業の指定紛争解決機関に関する内閣府令(平成二十二年内閣府令第八号)
・前払式支払手段発行保証金規則(平成二十二年内閣府・法務省令第四号)
・資金移動業履行保証金規則(平成二十二年内閣府・法務省令第五号)
・事務ガイドライン 第三分冊:金融会社関係
 5.前払式支払手段発行者関係
 14.資金移動業者関係